今回の記事は休息についてです。
TSSは本当に正しいものさし?
最近、僕がかなり興味を持って色々試しているのが、パワーメータ―による疲労管理。
パワーメーターを導入したことでライド毎のTSSが分かるようになったので、それをもとに管理すればいいはずなのですがこれが意外と上手くいかないのです。
ちなみに、知っている方も多いと思いますがこのTSSとは、トレーニングストレススコアの略称の事であり、ようは「どれくらいの負荷が体にかかったか」を表す指標となるものです。このTSSはFTP(=1時間ギリギリ維持することが出来る出力)の値をもとに定められており、基準値は100。FTP強度で1時間走った時の運動強度がTSS=100となっています。
例えばTSS=50のライドの場合、FTP強度で約30分走ったのと同じくらいの強度となるわけですが、実はここに落とし穴が存在します。
このTSSは、「走行距離」「時間」「強度」などの組み合わせで求められるため、「かなり高い強度で短時間走った際の値」と「かなり低い強度で長時間走った際の値」が近くになることがあるのです。
つまりTSSの数字だけを見てしまうと、
・かなり疲労しているはず(TSSが高い)なのに意外と脚にダメージがきていない
・TSSは低いのに、かなり体が疲れている
という謎の状態がしばしば起こりうるわけです。
僕の場合は…
例えば僕の場合だと、ローラー練30分(SST20分+アップ&ダウンで10分)ではTSSが50を超えることはほぼ無いですが、その日は脚にそれなりに疲労が残ります。
逆に、ロバート坂(多摩湖)のリピート練だとそんなに脚が疲れている感覚が無いのにも関わらず、TSSは100近くなっていることも。
ようはTSSの数値と、自身の感覚が噛み合っていないのです。
TSSの基準と現実とのズレ
また、TSSには以下のようなある程度の基準があります。(あくまで一例)
TSS 0~150 翌日には回復する
TSS 150~300 翌日には疲労が残り、翌々日には回復する
TSS 300~ 翌々日でも疲労が残る可能性がある
これを見るとTSS150未満なら翌日には回復する!みたいに思えますが、じゃあ実際のところそうなのか?と言われたら僕は首をかしげます。
TSSが150~300の場合は「翌日には疲労が残り、翌々日には回復する」となっていますが、僕の経験から見て、翌々日でも疲れが残っている時もあるからです。先日のはらいちBC in 奥武蔵GLでは、TSSがほぼ300でしたが、翌々日でも余裕で疲労が残っていました。
また、つい先日のライドでは、スタートから全く脚が回らないということがありました。
前日、前々日のTSSを見る限りでは完全回復しているはずでしたが、走り始めた時から脚は重く、すぐに太ももが痛くなって全く踏めない…….という状態。
一緒に走っていたハジメさんが勢いよく聖蹟のいろは坂を駆け上って行った際、僕も後ろについて行こうとしましたが全く踏めずにフラフラ登るしかないという……。(実際、後からMMPグラフを確認すると、ほぼ全ての領域でベストをかなり下回っていました)
その挙句にサドル後方に装着していたツールケースを紛失するわ、Monsterには騙されるわ、普段全く落ちないチェーンは落ちるわ…..と踏んだり蹴ったり。自転車界隈っぽくいうなら、「今日はバッドデイだった」ってやつです。
(この1時間後にツールケースを紛失……/(^o^)\)
結論
ということで、今回の記事の結論(あくまで僕の個人的な所感)としては、
・TSSはあくまで目安の基準であり、回復力は人それぞれ
・同じようなTSSでも、質の違い?みたいなものがあり、感じる疲労感にはかなり差があることも
・数値至上主義になって値を鵜呑みにしていると、ツールケース落としてMonsterに騙されるよ!
という感じ。
僕の場合、TSSは疲労管理の参考にはなりますが、あくまで軸は自分の感覚にしたほうがよさそう。オーバートレーニングを防ぐためには、TSSが低くても疲労が残っていれば高強度にはしない、といった疲労管理も重要になってきそうです。