全然自転車に乗らない姉をどうにかして連れ出してみる
ロードバイクを買ったはいいものの、何かと理由をつけて乗らない姉YOKA。
「グループライド楽しいよ」
「ライドのお昼ご飯おいしいよ」
「おじさんと一緒に来てくれたらお菓子あげるよ」
と誘惑してみますが、「走りたいところがない」、「No No No,家が最高」と返されてしまう始末。
やはり大多数の女性ローディ―と同じように「坂が嫌い」らしく、多摩湖の坂も出来れば登りたくない様子。
しかし、どこに行くにも大なり小なり坂はありますし、絶景は大抵高い所にあると相場が決まっています。
では、どうするか。
とここで、スーパーコンピューター京に劣るとも優らない(つまり劣っている)僕の脳細胞が、ある一つの解を導き出します。
つまり、
「姉の全く知らない土地なら、そもそも坂があるかどうかなんて分からないんじゃね?」
というもの。
分かりやすく言うと、
寒さが嫌いな人に「南極行こう」と言うと、南極=寒いということを知っているので100%拒否されますが、「オイミャコン行こう」と言うとどういう場所か分からないので即座に拒否することはありません。
あとは姉が「相模原 ヒルクライム」とGoogle検索をする前に連れ出してしまえば勝ちというわけ。
我ながら完璧な作戦です。
いざ相模原へ!PEKOさんの超軽量輪行袋が凄すぎる!
そして当日。
結局、当日のルートは未公開のまま最寄り駅で輪行の準備に取り掛かります。
こちらがPEKOさんのお手製輪行袋。
もうお分かりかと思いますが、このサイズですよこのサイズ!めっちゃ小さいです!
サイトはこちら→https://peraichi.com/landing_pages/view/peko
ラインナップはこちら。
縦置きと横置きの両方に対応しており、「耐久用」や「緊急用」など、各人のスタイル(耐久用:輪行をよくする人向き 緊急用:自走芸人or基本自走だけどブルべの時など「万が一のお守り用に持っておきたい」という人向き)によって選択肢があるのも嬉しいです。
ちなみに僕は緊急用ウルトラ輪行袋をチョイス。(実は耐久を買おうとしていましたが、あまりの人気に僕がページを開いた際にはすでに在庫が無くなっており、唯一残っていた緊急用を購入したという過去が)
僕が最初に買ったグランジのキャリーライトと比べるとこんな感じ。
横幅もめっちゃ小さいです。
ちなみに中には輪行袋と専用の肩紐の2つが入っています。
第六世代 i Pod touchと比べてもこのサイズ。
バックポケットに余裕で入ります。
使い方はPEKOさんの販売ページにあるのでここでは割愛。
ただグランジのキャリーライトがきっちりチャックを全部閉めないといけないのに対して、こちらの輪行袋は「ふんわりと下から包んであげる」だけ。
輪行準備はキャリーライトよりも圧倒的に簡単です。
奥が姉が使うキャリーライト。
手前が僕が使うPEKOさん製輪行袋です。
また先ほど「包んであげるだけ」と言いましたが、それだけでは入れ口がふわぁと広がってしまいます。
それを防ぐために最初からデフォで安全ピンが一つ付属しており、それをちょうど真ん中に留めてあげることで、入れ口が広がってしまうのを抑えています。(PEKOさんの「お手軽超軽量輪行袋」のサイトで使用方法が画像付きで解説されています)
↓ ↓ ↓
また、輪行の際の持ち運びは肩ひもがほぼ必須です。
この肩紐は一緒に販売されているものでも、自分で用意しても大丈夫。自分は一緒に肩ひもも購入(400円)しました。
肩紐が必須というのは、この輪行袋自体にはキャリーライトのように持ち手がついていないため。
サイトでも説明がありますが、キャリーライトのように輪行袋単体で持ち上げることが出来ないので、肩ひもが無い場合は直接フレームのチューブを掴んで持ち上げることになります。
個人的には、肩紐自体もとてもコンパクトなので、輪行袋と一緒に購入してしまうほうが良いと思います。
また輪行解除も簡単。
安全ピンを外して包んでいた袋から取り出すだけです。何度か輪行袋を使って慣れている方であれば、余裕で行うことが出来ます。また名前に「緊急用」とついているので「数回使ったら破けてしまうのではないか…..」と耐久性に心配がありましたが、その点も大丈夫でした。生地が張り詰めないようにふんわり包んであげれば、長持ちしそうです。
1つだけ大変だったのが畳む時。
この日は風があり、畳もうとしている最中にフワッと広がってしまうことが何度か。
三回、四回と畳めればもう風で広がることはありませんが、最初に二回畳むまでが勝負です。
輪行解除が終わったら早速走り出します。
出発地点はJR橋本駅。交通量の多い日曜の駅前を抜けて…..
相模原を良く走る方なら見覚えのある道。
ちなみに僕は道を覚えられない人なので、どこらへんか全然把握してません。
新しく出来た例の道へ。走りやすいですが途中に合流箇所があり、飛ばしてくる車もいるので注意。
しかしこの道。橋本駅から走るとなると、ずっと登りが続く(しかもその先がずっと見えてしまう)という精神的にクる道。
姉はもちろん坂が嫌いですから、
波状的に表れる坂に呪詛を吐きながらなんとか登る姉氏。
僕が悪いんじゃない。相模原が悪い。いや、こんな地形をつくった地球が悪い。
4月の末ですが、「真夏か!」って言うくらい日差しがキツイ今日。
ゆるゆる走っているだけでも汗が噴き出してくるので、ボトルの水がどんどん減っていきます。
オギノパンまでの登りでまたキレられる僕氏。
「あともうちょっとでお昼ご飯の店に着くから!」と言いますが、「どうせ嘘なんでしょ」と返されてしまう始末。
もう僕の信頼度がゼロを振り切ってマイナスに急降下しています。
なるほど、これが零地点突破というやつか。(違う)
お昼ご飯は定番のSTUMPで
オギノパンからSTUMPへ下った先にT字路で一旦停車。
お昼ご飯にはまだちょっと早いですが、空いているうちに入ってしまおうということでここでお昼休憩することに。
サイクルラックにはすでに多くの自転車が。
お昼ご飯は相模原ローディー御用達の有名なステーキ店「STUMP」。元々コンビニのテナントに作ったため、枠だけ見ると完全にコンビニです。
日曜ともなると多くの一般客やローディー達で溢れるので、お昼時に行くと外で結構待たされることもしばしば。相模原はじめましてライドの時もここでご飯を頂きました。
この日はまだまだ混む前だったので、すぐに案内していただけました。
注文したドリンクもすぐに運ばれてきたので、早速渇いた喉に流し込みます。
元がコンビニとは思えないほどオシャレに作り込まれた店内。
キッチンもシースルー。
やっぱり注文は王道を征くハラミステーキ300gですかね。実は店員さんおススメのラム肉にも興味はあったのですが、まだハラミステーキを食べたことが無かったのでこちらを選択。
こちらは姉が注文した和風ハンバーグ300g。
合わせて600g、「せっかく二人いるんだからお互いに半分ずつシェアしよう」ということになり、このような注文になりました。
ステーキですが十分歯で噛み切れるほど柔らかく、今まで食べたステーキの中でもかなり上位に入るほどのおいしさ。
一緒についてくるソースにつけて頂きます。
僕氏、姉氏にキレられる
ゆっくり腹ごしらえをした後は、いよいよ今日の目的地である宮ケ瀬湖へ向かいます。
あと準備している時に気づいたのですが、STUMPさんに置かれているサイクルラックも結構手が込んでいますね。
これから向かう宮ケ瀬湖は正面に見える山々の向こう側。
もちろんそんなことは口が裂けても言えません。
今までも十分「山の中!」って感じでしたが、ここから先はより一層緑の濃度が濃くなってきます。
STUMPを出た直後から再び始まる坂の波状攻撃。
しかし昼ご飯で復活したのか、先ほどどは違って淡々と登っていく姉氏。
日差しがちょうど真上に来る頃、ようやく宮ケ瀬湖へと通じる交差点に到着。
ここを右折すると宮ケ瀬湖ですが….
クッソワロタwwwwwwww
「いや、多分だけどキツいのはここだけだと思う!ほら、一気に登ってあとは流れでっていう感じで….」
途中までは頑張りますが、やはり直線ドーン!の10%はヒルクラ初心者にはキツく途中から押し歩きに。
家に帰った後が怖いですが、今は登ってもらうほかありません。
そうして、なんとか登りきった姉の前に現れたのは……
ワロッツァwwwwwwww
まだ10%続いてたwwwwww
「ねえ、さっきキミさ、自分で『キツいのはここだけ』って言ったよね?」
しかし、それでもなんとか再びサドルにまたがる姉氏。
逆の立場だったら100%Uターンしてますから、やはり姉はヒルクラ向きな気がします。
途中にはサル注意の標識も。
橋を渡ると、どうやらここからトンネル区間のようです。
「トンネルは暗いし、音が反響して怖い」とのことで、反対車線にある歩道に退避。
ゆるゆると歩道を使ってのんびりと登っていくことにします。
トンネルとトンネルの間、ふと右を見ると目的地である宮ケ瀬ダムが!
よくまあこんなものを山中に造ったな….と思うくらい大きいです。これには姉も驚いたようで、しばらく撮影タイムに。
それからも何個かトンネルを通ってゆるゆると宮ケ瀬湖へ。
幸いにも橋を渡ったあたりからは、斜度もずっと5%以下で姉も調子よくペダルを踏めています。トンネル区間はヒルクラというより、ただただ緩斜面を登っている感じです。
宮ケ瀬湖に到着!デカい!デカすぎる!!
ついに宮ケ瀬湖に到着!
トンネルを抜けた先に急に人造湖が現れる様はまさに圧巻。
綺麗なエメラルドグリーンの湖面が道の下に揺れています。
トンネルを抜けてすぐのところにある連絡橋からダムの方へと降りていくとこんな石が。
ダム湖百選にも選ばれているらしく景色は良いですが、日陰が全く無いのでぶっちゃけ景色どころではありません。
宮ケ瀬湖の下から昇ってくるケーブルカー。結構頻繁に行き来しています。
ダムの堤防上は自転車の乗り入れが禁止。暑い中を自転車を押しながら歩くのは割と地獄です。
坂よりもこっちの方がキツイ…..もう小生やだ…..暑いの苦手。
どうやら対岸にも道があり、湖をぐるっと一周回れそうな様子。
ただ姉がすでに限界っぽいので大人しくスルー。
もし「一周まわってみる?」なんて聞いたら、コンクリ抱かされて宮ケ瀬湖へと沈められてしまう事でしょう。
先ほども言いましたが、ダム堤防上は景色が良いものの、やはり何も無くキツイ日差しも相まって長居したくない場所。また飲み物が無くなったため、ダム堤防横に併設されたエネルギー館へ退避。
小学生とかが遠足で列をなしてぞろぞろと見学するタイプの施設で、トイレも無料で使うことが出来ます。
休憩が終わったら、もと来た道を引き返していきます。
いつもなら車道でシャーっと勢いよく下ってしまいますが、姉がいることを考えるとやはり暗いトンネル+結構飛ばしてくる車が多い道は危ないので、帰りも歩道をゆるゆると下ります。
あれだけ頑張って登ってきたのに下りは一瞬……というヒルクラあるあるを体験しつつ、先ほどの交差点まで戻ってきました。
後は行きに通った道を引き返すだけですが、ここで姉が「行きに下った坂=帰りは上り坂」という事実に気づいてしまいます。
その中でも一番強烈なのはやはりSTUMPからオギノパンまでの登り返し。
平均斜度7%、距離1.1kmの坂ですが、ヒルクラ初心者からしたら「こんなん自転車で登れるわけないじゃん」と投げ出したくなるような凶悪さ。
以前ボコボコにされた子の権現や戸田峠を曲がりなりにも経験している自分はともかく、「あの坂に比べれば….」という比較対象を持っていない姉からしたら、十分激坂の部類に入るはずです。
なんとか先ほどの激坂も登り切った姉。
その後現れる坂に対しても、「さっきの坂と比べれば」と言ってクリアしていきます。
やはりなんだかんだ言ってヒルクラ向きなのではないでしょうか。
どうにかこうにかしてゴール地点である橋本駅に帰還。
「……あー疲れた」と僕を見る目がキツイですが、
と思ってます。(反省の色なし)
また今回のルートですがこんな感じ。
「ヒルクラ全くやったことない、月に1回自転車に乗れば良いほう」というのを考えると、相当すごいと思います。多分僕じゃDNFです。
という事でなんとか幕を閉じた今回の宮ケ瀬湖ライド。
次回は飯能あたりに連れ出してみたいと思います。(●´ω`●)