今回の記事はロードバイクと写真の両立について。
自分が一眼やコンデジなど多彩な選択肢の中からミラーレス一眼を選んだ経緯と、購入して8か月使ってみたSONY α6000のインプレとなっております。
「ライドの思い出を写真として思い出に残したい!」、「カメラ迷ってるんだけど何がいいのかなあ」という方々へのほんの少しの助けにでもなればと…….まあ他の機種と比べたこともない素人の感想ですので、あくまで参考程度に。
では、まず自分がカメラを背負って走るようになった経緯から書いていきます。
ロードバイクを購入して半年。
最初は数キロ乗るだけでお尻が痛くなって白目をむいていた自分も、段々と乗っていくうちに行動範囲が広がってきました。
しかし、この頃はもっぱら平地専門。さらに言うなら、行動範囲が広がったといってもせいぜい自宅の10km圏内を町内探検のように乗り回していただけ。完全にポタリングオンリーです。
転機は2016年9月。同じローディ―である友人と「川崎の工場夜景を見に行きたい!」という話で盛り上がったことです。元々写真を鑑賞したり撮ったりするのが好きだったとはいえ、このころはまだ自転車とカメラは別々であるという考えしかない状態。
しかし友人は、その川崎工場夜景ライドに合わせてコンパクトデジカメ(コンデジ)を買うらしい。なんでも「せっかく行くんだから、思い出となる写真を撮りたい」ということだそう。たしかに自分の持っているi pod touchのカメラ性能もあまり優れておらず、夜景を撮ろうものならノイズでとんでもないことになってしまうことは避けられない。
なら、自分もコンデジを買おうかな?と思い至ったわけです。
さて、思い立ったが吉日の自分はさっそく近くの家電量販店へ。
まず最初の悩みどころは、一眼にするのかコンデジにするのかということ。
一眼はやっぱり解像度などに優れていて、コンデジには出せない画質がある一方、どうしても大きさと重さがハンデとなってしまいます。特に自転車に乗ってカメラを持っていくとなれば、かなりかさばってしまう……。
またコンデジの方も素晴らしい性能のものが多く発売されていて携帯性にも優れているのですが、どうしても画質の面で一歩足りないという点が気になる。
その旨を店員さんに相談したところ勧められたのが、ミラーレス一眼というジャンル。
なんでも「分かりやすく言うなら、一眼の描写力とコンデジのコンパクトさを併せ持ったもの」らしい。何それステキ!と調べてみるとミラーレス一眼にはまだ明確な定義というものはないようですが、いくつかの条件が当てはまるものがそう呼ばれているようです。
その条件とは…….
1.ミラーレスであること
2.描写力に力をいれていること
3.レンズ交換式であること
の3つだそうです。自分にはここら辺の知識は全くないので割愛。
こちらのサイトを参考にさせていただきました。
早速ミラーレス一眼のエリアに案内してもらってウン十万というバカ高いカメラ(しかも本体のみでレンズなし!)のズーム機能で「スゲー!めっちゃこれズームできる!」とはしゃぎつつ、店員さんに「夜景とか夜に強いカメラはなんですか?」聞いてみたところ、「夜景ですと、オリンパスのOM-D E-M10 Mark IIがおすすめですよ」とのこと。
強力な手ブレ機能がついていて、夜景も三脚なしで撮ることが可能。三脚という余計な荷物を増やしたくない自分からすれば、なんとも魅力的な一品。
しかしイマイチピンとこない。良いカメラであることは間違いないですが、なんというか極論を言ってしまうと「デザインがしっくりとこない」という(笑)
性能でオススメを聞いておいて、まさかの「デザインが….」とか言い出すんだから、完全に厄介な客です。
そして次に候補に挙がったのが、SONY α6000。
これは紹介された瞬間にびびっときました。
レンズの直径と本体の高さがほぼ同じという「一眼のレンズを無理やりデジカメサイズにつけてみたぜ」みたいな無駄のないフォルムにやられてしまったわけです。特に夜景が苦手というわけではないそうで、しかもオリンパスの方とは違って本体の凹凸が少ないため、背負いながら走っていてもあまり気にならない、というメリットも。
実はこの時点で後継機の6300が出ていたわけですが、予算の点から断念。現在は6300、6500という上位機種が出ているので、初値から1万円ほど下がっています。
無事、α6000(ブラック)のお買い上げとなりました。
(ここではかなりサックリと決めていますが、実際は大量のパンフをもらってきてめっちゃ悩んでます)
ということで、ここからはα6000のインプレを。
とはいえこのα6000は結構な数のインプレ記事が存在するので、ここでは自転車との組み合わせに重点を置いて書こうと思います。
重量は本体だけでおよそ340g。レンズを合わせると大体480gになります。
これを下の画像のようにストラップを使って背中に背負うので、あまり重い物を背負ってる感じはしません。
ただ自分の場合、チェーン状の鍵とカメラをクロスするように背負うことが多いので長時間となると少し肩が疲れたかなと感じることも。
次はレンズです。
購入した時に「パワーズームレンズキット」を選んだので、下の画像のような薄いレンズが付属しています。
(500mlペットボトルと同じくらいの厚さです)
それとは別にもう一本、19mm F2.8 DNというシグマのレンズ(下の画像)を購入して現在は2本体制。
この19mm F2.8 DN ですが、価格がまさかの2万円未満。
(上が19mm F2.8 DN 。付属のレンズよりもちょっと長いです)
自転車関連用品で金銭感覚が崩壊したローディーたちにとっては、とても手が出やすい値段となっております。(ゲス顔)
レビューを見てみると特別よくもないが無難、つまりコスパは良いという声が多数。
写真は「レンズが命」とよく言われますが、自分がこの安いレンズを選んだのには理由があります。
それはズバリ、自転車に乗るから。
これだけ書くと「は?何言ってんのこいつ。殴るよ?」となるので、もうちょっと詳しく書きます。
スポーツ自転車、とくにロードバイクという簡単に30km/h、40km/h出てしまう乗り物は、実はかなりのリスクを抱えています。スピードが出ているときは安定しますが、その分バランスが崩れた時の被害はかなりのもの。
自分も骨折を経験していますし、高速走行中の落車でフレームやパーツがお釈迦になった方も多いはず。
では万が一かなりのスピードが出ている状態で落車した際、カメラを背負っていたらどうなるでしょうか。
簡単に想像できるかと思いますが、本体もレンズも精密機械なので落車した際の衝撃でおそらく壊れてしまいます。
この時、一本何十万もするようなレンズを付けていたりなんかしたら、その損失額はかなりのもの。(そのうえ、自転車もフレームごと逝って廃車になったら真っ白な灰になります)
しかし一本2万円もしない安いレンズ(あくまでレンズ市場のみでの話です。自分からしたら2万は大金です汗)なら、ある程度簡単に諦めもつくかと思います。
こちらが実際に、自分が40km/h弱での走行中に落車した際にレンズについた傷。
幸運にもレンズフィルターの外周部が傷ついただけで、本体の方も無事でした。
つまり、落車して壊れた際の損失を考えると高いレンズを付けるよりも、安くてコスパの良いレンズを付けた方がいいんじゃないかという話です。ただこれはあくまでも自分の考えであり、高級レンズを背負って走る人を否定したいわけではないことはご理解ください。
そして最後にちょっと機能紹介を。
このα6000には元々「ピクチャーエフェクト」という機能がついており、写真を撮ってから調整するのではなく写真を撮る前にある程度色調などを調整することができます。
ただ自分で下手な説明をするよりも、α6000を購入した際に店員の方がおまけで下さったマニュアルブックの方がよくまとめられているのでそちらから。
まず紹介するピクチャーエフェクトは「ポップカラー」。
こちらは彩度が高めになって色合いが強調された画像に仕上がります。
これに加えて、露出(簡単に言うと明るさ。基本的に写真が明るすぎる時はマイナスに、暗いときはプラスに設定します)を思いっきりアンダー(適正な露出に対して暗く写すこと)に設定して撮るとこんな感じに。
周囲が暗くなりますが、そのぶん夕焼けの綺麗な色がよく拾えて目立つようになるので夕焼けやマジックアワー時におすすめですね。
お次は……
上の画像の右上にある「パートカラー」が結構面白い。
レッド、ブルー、グリーン、イエローの中から一色を選択して撮影すると、指定された色以外はモノクロで撮影されるという優れもの。
【例】
・Before
・After
という感じになります。
こちらはサイクルエキスポ2017で撮影したもの。
上の2枚のように引いて撮る風景よりも、寄って撮る場合の方が威力を発揮します。
リアディレイラー側からとる場合、メタリックの部分も相まってかなりかっこよく写ってくれる気がしますね。
さて、3つめの紹介へ。
こちらはピクチャーエフェクト:トイカメラで撮った一枚。
周辺光量が落ちて、まるでトイカメラで撮影したように柔らかい雰囲気の画像に仕上がります。
さらに仕上がりの色味をノーマルやクール、ウォームなどの5種類から選べる。
下の2枚の画像はクールを選択して、金属の冷たさを表現………できてればいいなぁ。
とまあ、3つほどピクチャーエフェクトの機能を紹介してきましたが、やはりミラーレス『一眼』というだけあってエフェクトなしの描画力も大したものです。
下の一枚は、夕焼けのシチュエーションですがエフェクトなしで撮ったものです。先ほどの夕焼けの写真と比べると少々薄目かなーと感じますが、これでも十分いけると思います。
(多摩湖へ続く多摩湖自転車道での一枚。例のフェンス区間です)
以上、長々と書かせていただきましたがどうだったでしょうか。
この記事を読んで少しでも「写真っていいな」、「カメラ背負って自転車に乗ってみようかな」と興味を持っていただけたら幸いです。かくいう自分も、構図やらレンズやらの知識はゼロでテキトーにシャッター切っているだけの人間ですので、あんまり偉そうには言えないのですが……。
現在はiPhoneやXperiaなどスマートフォンのカメラ機能もどんどん発達してきていますが、カメラにはカメラの良さがあると思います。ちなみに自分は、ファインダーをのぞいた時に映る景色が一番好きです。もちろん後で見返すのも好きですよ。
また、TwitterなどのSNSを見ていると、「どうやってこんなすごい写真を撮ったんだ!?」といつも驚かされている自分ですが、いつか驚かせる側になることがひそかな目標。
これからもカメラと一緒に絶景を求めて走っていきます。