大垂水、牧馬峠に行った翌週。
Twitterで交流のあるarabesqueさんから「名栗湖行ってランチしませんか?」とのお誘いをもらいました。
4月頭に骨折した手首のリハビリや大学の方での用事がありましたが、そんなの関係ねぇ!と予定を消化。無事に参加できる運びとなりました。
「こんな感じです。行きは平坦で名栗湖以降はちょっときつめ有りで。ゆったりと行きましょう」
(ルートラボからリンクを引っ張ってきたかったのですが、四苦八苦して諦めたなんて口が裂けても言えない….)
予定のルートは箱根ヶ崎を通って八高線沿いに北上、飯能駅の南西をかすめて入間川沿いの埼玉県道70号に乗って名栗湖を目指す感じ。帰りは成木街道(53号)から青梅まで一気に下ります。
これなら自分の嫌いなバーディ・山王峠を通ることは無いので、ゆるゆる行けば大丈夫そうです。若干、arabesqueさんもあっち側へ片足突っ込んでいる気がしますが、ギリギリまだこちら側だと信じています。
平日を白目をむきながら過ごして、いよいよ当日。
集合場所である武蔵村山のコンビニで、arabesqueさんともう一人の参加者である、ようDさんと合流。
(←ようDさん)
実はようDさんはこの日が初ヒルクライム。愛車はBianchiのimpulso。白いフレームがかっこいい…….。また、ペダルはトゥークリップといって、つま先に引っかけるタイプのもの。これなら立ちゴケの心配はなさそう。
(実物と少し違いますが、こんなやつです)
軽く自己紹介等を済ませてさっそく出発。
ナビ役のarabesqueさんを先頭にようDさん、自分と続きます。
ちなみにようDさんが背負っているバッグはBianchiで買ったものだそうで、クールなデザインに主張しすぎないBianchiロゴがいい感じです。(さらに財布もBianchiという、立派なBianchiスキーです)
arabesqueさんの「裏道ばっかり引いてるんですよ」という言葉通り、比較的交通量が少なく走りやすい道が多いです。
しかしその弊害か、「あ、今のところ左折だった」みたいにちょくちょくルートを間違えることも 笑
横田基地を過ぎて裏道に入るとすぐ、寄り道スポットに到着。瑞穂にある狭山池という残堀川の源泉です。
この公園内には厳島神社があり、漢字も広島の方と完全一致しているそう。
瑞穂あたりから徐々に建物がまばらになってきました。
両手には茶畑?が広がり、交通量もガクンと落ちます。
一回目の休憩ポイントの飯能大河原工業団地前のコンビニまではあと少し。
ですがその前にちょっと長い坂が…..う゛ぇえ…(真姫ちゃん感)
た、確かにあの人はそう言ったんだ。なのに、気が付けばダンシングを交えながらスルスル登っていく後ろ姿が…..。
そして「ヒルクラ初めてです」と言っていたようDさん……。ふくらはぎの筋肉すごいじゃないですか……。絶対速いじゃん….。
二人に離されないように必死についていきますが、その間ずっと「…あれ?今日はゆるゆるって言ってなかったっけ?」という疑問が頭の中で飛び交っていました。
小鹿のように震える脚で登りきり、コンビニ休憩へ。時刻は10時くらいなので、まだまだ余裕があります。
補給のためarabesqueさんがコンビニ行っている間に、ようDさんとローディ談義。
ホイールの話や飯能周辺の坂の話で盛り上がっていると、戻ってきたarabesqueさんを交えた会話の中でポツリとおかしなキーワードが。
「飯能には、結構有名な坂が固まってるんですよ。ネノゴンとか」
「子の権現といって足の神様を祭ってるところなんですが、最後の坂がすごいんですよ」
「今日のコースの途中で曲がると行けますよ。名栗湖の東側にあるので」
だいぶ端折ってますが、流れとしては大体こんな感じでネノゴン行きが決定。
何をトチ狂ったのか、坂初心者の自分から言い出すという錯乱っぷり。
絶対にヒルクラ初心者が行く場所ではありません。最初の「名栗湖ゆるゆるライド」が、「魔境ネノゴンデスライド」に変貌しました。
あの世行きが決まったので、ここからはなるべく軽いギアを回して行きます。
アップダウンが結構ありますが、骨折の時の経験から下りでスピードを出すのが怖くなっているので、なるべく40キロ以上は出さないようにこまめにブレーキ。
ただ先頭の人はカッ飛んでいきます。下り好きとは聞いていましたが、実際に見るのは初めてだったのでかなり驚きました。
下りが終わり前に追いつくと、目撃者たちの証言が次々と…..。
少し県道70号を走ってから右折。
しばらく進むと、地獄の入り口を示す看板が。
多少登っている感はありますが、そんなものお構いなしにガンガン進んでいきます。
この後に四天王の一角が待ち構えているのに、サイコンを見ると30km/hオーバー。
しかし前の二人が余裕そうなので、自分も余裕そうなフリをします。(瀕死)
一度、分岐点に看板があったので前の二人にも止まってもらいました。
バカみたいに急な階段を上って鳥居の前でポーズ。ようDさんに撮ってもらいました。
このところ話題になっていた「ケツの人」のリスペクトも忘れてはいけません。この先、どれだけ脚が残せるかわからないので、今のうちに撮っておきましょう。
しかし、さすがは本家本元。上辺ばかり真似しただけでは、あれほど美しい曲線美には到底届きません。
総本家曰く、「腰の入りが甘いわ!」とのこと。精進精進。
再びまた走り出すと、今まで忘れていたことにふと気が付きました。
そうです、暑さです。
都内からそんなに離れていませんが、やはり山に入ると体感気温がぐっと下がります。
これならば、軽井沢などの高原地帯が避暑地に選ばれる理由に納得。
二つ目の休憩+撮影ポイント。ここを右に行くと子の権現です。
ちなみにarabesqueさんの愛車は、ブリヂストンのANCHOR。カラーはキレイな水色で、遠くからでも見分けられそうです。
また三台並べて撮ってみると、サドルの高さに驚きます。羨ましい2cmでいいのでください。
こちらは先ほど走ってきた道です。
周りの風景を見ると分かりますが、もう完全に山です。
行きたいって言ったの自分ですけど、もう帰っていいですか。(キレ気味)
しばらく休んでいると、かなり都会的な格好をした方に「地元の方ですか?」と声をかけられました。
どうやら歩きでここまで来たらしく、この方も子の権現に行く様子。
「子の権現はここを右折ですよ」と伝えて少し話した後、また歩いて登って行きました。ここまで来るのにどれぐらいかかったんだろう…..。
その後、自分たちもすぐに走り始めます。
もう雰囲気でだいぶヤバいのが分かりますが、arabesqueさんからトドメの一言が。
「ここはまだ入り口の入り口ですけど、途中ちょっときつい所ありますよー」
初心者二人(ようDさんはヒルクラ自体初めて)で「きついきつい」と言いながら、登っていきます。
今さらだけど、なんでこんなところ来てしまったんだ。
そんなこんなでついに子の権現入り口に到着!
ここまでが普通にだるかったので、三人ともバイクを置いて長めの休憩を取ります。
いますぐUターンしたいですが、ここまで来たら登らなくては!
最初から軽いギアで、乳酸を貯めないようにしながら登っていきます。
雰囲気はとてもいいのですが、時々10%超えの箇所が現れるのであまり周りを見ている余裕がありません。
写真ではわかりにくいですが道の端にコケがあるので、ワインディングでもあまり外側を走ると危険です。
はい、きました。子の権現を激坂四天王たらしめる、悪夢の超激坂区間ラスト300m。
これは帰りの下りに撮ったパノラマ写真ですが、こんなレベルの坂は見たことがありません。頭おかしいだろ…..。
後ろで見ていたarabesqueさんによると、「ラスト300mが見えた途端、2人して同じタイミングで頭がガクッと下がってた 笑」とのこと。
もう必死に走りながら撮っていたのでF値なんて気にしていられません。
たった100mも進まないうちにこれだけ登らされます。写真中央に伸びている道が、30秒前に走っていた道です。意味わからないwww
ここまではなんとか登れましたが、最後のワインディングが目に入ったところで心が折れてついにリタイア。
ようDさんと一緒に押して登っていきます。
と、ここで今まで後ろで様子を見ながら走っていたarabesqueさんがついに本気モード開放。
止まっている二人を颯爽と抜いて、ダンシングで登っていきます。
なんであの斜度で登れるんだ……。
分かりにくいですが上の写真中央に小さく写っているのがarabesqueさんです。
写真ではいまいち伝わらない斜度。
どれぐらいかわからない、意外といけそうじゃない?という方がいらっしゃいましたら、とりあえず行くことをお勧めします。真っ白な灰になれますので。
内側に自転車を置いて撮ろうとしましたが、あまりの斜度に立っていることすら危うい状態。
おとなしくパノラマ写真だけに。
その後も10%超えの坂が続きますが、それまでのインパクトが強すぎたため、そんなきつい斜度には思えなくなってしまうのが怖い所。
最後はあきらめて歩きましたが、どうにか頂上へ。この時点でお線香のにおいや鐘の音も合わさり、悟りを開きかけています。とても巨大な木がもはや神々しい…..。
しかも驚くべきはようDさん。
あの激坂を越えた後はまた自転車にまたがって走り出したらしいwwww
ここに来て、ようDさんオールラウンダー説が浮上。
ちなみに自分はオールダメンダーです。(ドヤ顔)
しそジュースの毒々しさがヤバい件について。
ようDさんは甘酒を飲んでいました。
子の権現についてからは、適当にシャッターを切っていきます。
多分あと千年くらい経たないと来ないと思われるので、たくさん撮っておきました。(この日撮った写真の半分以上がここのデータでした)
また、アイスも80円から売っていてとてもおいしそうでした。
鳥居をくぐり聖橋を渡る途中、木々の間から連なる山々が見ることができます。
ここまで登ってきたんだなーと思うと、やはり感慨深いものが。
また、運が良ければスカイツリーも見えるらしいです。
本堂?の方に行くと、より一層線香のにおいが。
山の中の静かなところにあるので、とても落ち着きます。
とりあえずネノゴン通行許可証を購入。
最初は紫を買ったのですが、他の色があったので交換してもらいました。
休憩もおわり、いよいよダウンヒル。
ただし最初はあまりにも急なので、歩いておりることにします。
もちろんこの方は乗って下りていきます。
前半のきつさに納得できるほど、下りでもスピードが出やすいです。
ブラケットの部分では指が痛くなってくるほどなので、下ハンが基本です。
ゆるゆる、しかしがっつり下りていき、もと来た道を戻っていきます。
あっという間に下りきり、再び県道70号へ。
時間もちょうどよく、お昼ご飯に急ぐためにしばし無言の巡航タイム。
ここの道は斜度はきつくないので、楽ちんでした。
昼食はレストランHAMA。
予定ではターニップだったのですが、あまり時間もないので近いほうになりました。
ここにはバイクラックもあり、自転車の置く場所には困りません。
また激混みというほどでもなく、すんなりと入ることが出来ました。
まず感想としては、
お冷がうまい!
こんなにただのお水がおいしいと感じたのは久しぶりでした。
とりあえずメニューを注文し、ドリンクセットだけ先に持ってきてもらいました。
減りの早いこと早いこと 笑
ジンジャーエールうますぎワロタ。
コーラとも悩みましたが、苦渋の決断でした。
料理を待っている間、3人で再びローディ談義。
個人的に一番ツボだったのが、arabesqueさんの「瘦せるために自転車始めたが、ライザップの方が全然安上がりだった」という話。
たしかに自転車は何かと金がかかるなと。金欠学生にはつらい所でもあります。
また他にも色々なお話を聞けて楽しかったです。
美味しそうな音とともに運ばれてきたステーキ丼。
自分は朝、昼は小食なので、120gを頂きました。
arabesqueさんは「とろ~りたまごステーキ丼 160g」をチョイス。
卵が乗っているだけで3倍ぐらいおいしそうに見えるのはなぜ….。
ようDさんは「美味豚ポークカツ膳」を注文。
こちらもサクサクの衣が実においしそうでです。
先にも書きましたが、小食なので食べきれるか不安でしたが、おなかが空いているのもありペロリといってしまいました。
また、ステーキ丼にもお味噌汁が付いてくるので、締めにズズッと流し込みます。
食べ終わったあとはのんびり雑談して食休み。
「あー、青梅ぐらいまで一緒に行こうかと。具体的には決めてないです」
「なら帰りに多摩川通るし、立川まで出て尾根幹往復してもいいんじゃない?」
さて、また自転車に乗りますがようDさんはこの後予定があるらしく時間の関係上、名栗湖はまたの機会に。
帰りは予定通りに名栗湖方面への三叉路から、成木街道→青梅へと一気に下っていきます。
しかし成木街道に入ると、すぐに登りが。
「ここからちょっと1kmくらい登りなので、頑張ってください。これが最後の登りです(←ローディあるある)」
なんとか1kmの坂をクリア。
ここのトンネルからは下りになるので、気持ちも楽になります。
ただこの後はずっと下りが続くので、2人には先に行ってもらうように伝えます。
ずっと先で合流して再び3人で走っていきます。
すると何やら不穏な文字が。
「すいません。なんかさっき『登坂車線』ていう文字が見えたんですけど」
「さっきも地味に登っているトンネル通りましたし、その言葉聞くのもう2回目ですよ」
まさか最後の最後にローディあるあるが出てくると思いませんでしたが、なんとか無事に青梅まで帰ることが出来ました。
東青梅駅で帰りのルートを確認し、ここで2人とは解散。
帰りは車が行き交う青梅街道に乗って、ホームグラウンドである多摩湖へ。
GPSが狂っているので、代わりに手元のサイコンを見ると本日の走行距離は97km。
あと3kmあれば….と思いましたが、ネノゴンで削られた脚はすでにガクガクなのでやめにしました。
今回ご縁があってご一緒させていただいたarabesqueさんにようDさん、本当にありがとうございました。